アコースティックギター片手にオリジナル曲を披露する松浦たくさん。「音楽で伊勢崎を盛り上げてほしい」との友人の誘いで、東京・世田谷区のマンションから一家で移住。抜群の行動力で自らの人生を切り開く。
広島県生まれ。シンガーソングライター。学童保育所に勤める妻、保育園に通う長女(3歳)と3人暮らし。2012年にHuman Recordを立ち上げ、アルバム制作からプロモーション活動まで幅広く行う。
音楽活動を通して多方面で活躍されている松浦さん。
どのように人脈やネットワークを広げていったのでしょうか?
伊勢崎市に引っ越してきてすぐ、伊勢崎市社会福祉協議会をたずねました。老人ホームでの慰問ライブ活動をしたくて。突然、各所にお願いするよりも、紹介してもらったほうが話が早いと思ったんです。
黄色の帽子がトレードマーク。島根に住む父親から譲り受けたもので、帽子をかぶると、ミュージシャンスイッチが入るという。
実際、スムーズに行きましたか?
はい。社協の高川さんという方が、親身になって相談に乗ってくれて、すぐにいくつか紹介してくれて実現しました。そこでまた、新しい出会いがあって、次のライブ活動につながって…という具合に少しずつ自分のネットワークを広げていきました。群馬の県民性なのかな、相談したり質問したりすると、皆さんとっても親身になってくれるんですよ。
なぜ、東京からの移住先を伊勢崎に決めたのでしょうか?
実は知人からの一言がきっかけなんです。「歌で伊勢崎の街を盛り上げてほしい!」と。
すごい決断力と行動力ですね!
それにちょうど、子どもが生まれたばかりというタイミングもあって、東京で子育てするよりも、のんびりとゆったりした環境の中で育ててあげたいという気持ちも後押しになって。
これまでに制作したアルバムは20作品に及ぶ。自らも音楽イベントを主催するなど、精力的に活動する。
奥様は賛成されましたか?
はい、自由に生きていいよって言われています(笑)。
いせさきFMのパーソナリティとしてもご活躍されていますが、それはどのような経緯で?
パーソナリティになるきっかけは、自分で企画書を持ち込んだことからです。たまたま散歩中に、いせさきFMの放送局の存在を知って。社長にプレゼンさせてもらって、比較的トントン拍子に話は進んだと思います。移住して約4か月後の2015年の9月に「松浦たくの教えて いせさき大百科」という番組をスタートさせました。
都内から移住してすぐにコミュニティラジオ局のパーソナリティをやることに不安はありませんでしたか?
いえ、そのあたりは大丈夫でしたね。過去に吉本興業所属のお笑い芸人をしていたことや、バンドでメジャーデビューしていた頃にラジオ出演の経験もあるので。番組スタート当初から、構成も選曲もすべて自分で行っているからやりがいもありますよ!特に上毛かるたの読み札を即興で歌にしたら、評判が良くて一気に軌道に乗りました。
上毛かるた! ご存知でしたか?
妻から教えてもらいました。妻も青森出身なんですけれどね(笑)。上毛かるたの次にいせさきかるたなど、様々な群馬の郷土かるたを取り上げて、現在まで続いている長寿コーナーになっているんですよ。
伊勢崎銘菓「松露庵」の「絹衣」。伊勢崎の名物を食べるのも楽しみのひとつ。
休日はどのように過ごされますか?
県内の観光地に車でよく遊びに行きます。行き先はネットで検索してパッと決めちゃいます。伊香保温泉、大理石村ロックハート城や神津牧場などにも遊びにいきましたね。
ラジオをつけて走っていると、「あっ父の声!」と気づいて一緒に歌ってくれることもうれしいですよね。親の背中をいつも見ているからなのかな、歌うことが大好きみたいです。
伊勢崎での子育て環境はどうでしょうか?
僕も娘も公園が大好きなんですが、伊勢崎は公園めぐりができるほど、公園が多いのがすごくいいですね。中でも娘のお気に入りは、近所にある茂呂中央公園。滑り台でよく遊ぶし、広々とした芝生が本当に気持ちよいですよね。
松浦さんの歌声に引き寄せられて子どもたちが集まってくる。
移住して3年目とのことですが、暮らしやすいですか?
広島や島根など自然豊かなところで幼少期を過ごし、大学進学で上京し、下北沢に20年以上住んでいました。田舎も都会も両方経験してみて言えるのは、伊勢崎市は、とにかく居心地が良いです。何をするにも、「ちょうどいい」。緑が多いけれど、買い物をするのも便利。都内に出るにもとっても便利だし。正直、何の不満もないですね。
今後の目標を教えてください。
老人ホームでの慰問ライブは、「音楽を届けに行きたい」という思いが原点になっています。
近い将来、劇場型のカフェを開いて、お年寄りや子どもたちが、思う存分音楽に触れ合って楽しめる空間をつくりたいと思っています。自分自身も一生歌を歌い続けたいと思っていますし、歌うことで、誰かの背中をポンと押してあげられたらいいなと思っています。
最後に、移住希望する方に向けてメッセージをお願いします。
いきなり移住というと、ハードルが高いかもしれませんが、群馬では様々なイベントがたくさん開催されているので、自分の好みや趣味に合うものを探して積極的に足を運ぶと、いい情報を得られたり、人脈が広がったりすると思いますよ!
松浦さん所有の車1台はあったが、長女の予防接種や健診などに行くのに、市のコミュニティバスも積極的に利用したという。
最近、趣味の幅を広げてサイクリングにも興味があるという松浦さん。仲間とともに川沿いのサイクリングロードを走ってみたいと話す。