なだらかな丘陵地の中に田園風景と住宅街がほどよく調和する甘楽町。ここに京都から移住して16年。2人の子どもを育てながら子育てサークル「さくらマザーズ」でも活躍する洋子さん。バイクで日本一周したという行動的な女性に、ぐんま暮らしの魅力をたずねた。

京都府→甘楽町(2002年移住) 青木洋子さん・大典さん・柚月ちゃん・桜月ちゃん

profile

洋子さんは27歳のときバイクで日本一周の旅に出発。その途上で同じくバイクツーリストの大典さんと出会った。甘楽町に移住後、柚月ちゃん(小6)・桜月ちゃん(小3)の母として充実した日々を送る。

午前5時。一日の始まりは朝の散歩から。毎日欠かせない大好きな時間だ。

早朝のピーンと張り詰めた空気の中、四季折々の景色を眺めながら歩く大好きな時間。お散歩の途中で神社にお参りするのも日課だ。

起床したら、家の周りを散歩するのが毎朝の日課。借りている畑の野菜を見回った後は、近所の神社でその日の無事をお祈り。丘の上まで行けば、富岡の街や遠くの山並みまでぐるりと見晴らせます。こんなのどかな甘楽町の風景が、私は大好きなんですよ。
野菜作りなんてやったことなかったけれど、近所の人に教わって、いろいろ作れるようになりました。京都の両親にも送って喜ばれています。
近くの総合公園も新緑や紅葉の頃はすごくきれい!道の駅にも歩いて行けます。年を取ったら、毎日のんびり散歩したいなぁ

近所に借りている畑では下仁田ネギの栽培にも挑戦。畑仕事の基礎から教わり、野菜作りも得意になった。

京都から群馬へって、どんな縁で?

実は私、旅人だったんです(笑)。京都のまちなかで生まれ育って、看護師として働いていたんですが、27歳のとき仕事を辞めて、バイクで日本一周の一人旅に出かけました。その途中、北海道の稚内港発のサハリンツアーに参加して、群馬県人の主人と出会ったのがそもそものきっかけです。
主人は、日本はもちろん世界各地もバイクでツーリングしている人で、群馬に来たら案内すると言ってくれて連絡先を交換しました。その後、日本列島をツーリングして、みなかみ町の道の駅でテントを張ったとき、連絡したら本当に来てくれたんです。
旅を終えた後、群馬に来て彼と暮らし始めました。

移住前、バイクにテントや日用品を積んで、日本一周一人旅をやり遂げたという洋子さん。

大典さんは世界各地を旅した筋金入りのバイクツーリスト。所有するバイクは4台。車庫内の壁には旅先の写真が所狭しと飾られている。

群馬暮らしは、最初から甘楽町で?

はい。彼の職場が富岡だったので、近くの甘楽町の借家で暮らし始めました。「甘くて楽しい町」って書く町名が、私も彼も気に入って(笑)。
隣のご主人が私と同じ京都出身の方で、身内のように親切にしてくださいました。近くに頼れる人がいるって大事ですね。

今はたくさんのお仲間がいらっしゃるようですが、人脈づくりはどんなふうに?

上の子を妊娠中に母親学級に参加したのが大きかったですね。そこで出会った岡田みゆきさんとは、今も親子ともども大親友。「さくらマザーズ」も岡田さんと一緒に始めました。
縁もゆかりもない土地での暮らしは不安もありましたが、イベントに顔を出したり、保育園からも輪が広がりました。図書館に通って司書さんともすごく仲良しになりました。
誘われてママさんバレーも始めたし、京都にいた頃には考えられなかった人のつながりが幾重にもできました。

親子で一緒に楽しむ「さくらマザーズ」の仲間たち。(右端は「稲含塾」代表の浅香さん)

「さくらマザーズ」というのは、どんなサークルですか?

香川県の小学校で竹下和男校長が始めた「弁当の日」というプロジェクトがあって、全国的に広がっているんです。子どもたちが自分で弁当を作って、親は見守るだけという活動。
それに感動した岡田さんがぜひ先生を呼びたい!と。講演会を開いたら100人くらいのママさんが参加してくれました。今は、毎年健康祭のときに「プチ弁当の日」のイベントを開いています。
メンバーは「稲含塾」という活動にもスタッフとして参加してます。こちらでは、登山や野焼きパン、沢登り、ドラム缶風呂など、毎月いろいろアウトドアを楽しんでいます。

毎年の恒例行事となった健康祭での「プチ弁当の日」。材料だけ用意して、子どもたちが好きなように作るのを見守る。

すごくアクティブですね!ご家族でアウトドアを楽しまれることも多いのですか?

キャンプとかには行きますね。主人は今もバイクに乗っていて、一昨年の夏はサイドカー付きバイクで主人と長女は北海道へツーリング。私と次女は、新潟まで追いかけて見送りました。

ご夫婦揃って“旅人”って感じですが、甘楽町に家を持たれたのは?

家を持ちたいと探し始めたのは、長女の小学校入学前。大親友の岡田さんの娘さんと小学校区が一緒の地区に中古住宅が見つかって、主人も気に入ってくれたので。
主人は埼玉県の寄居町に転勤が決まっていましたが、埼玉に引っ越そうなんて考えもしませんでした。
家を構えてからは、ご近所の人に野菜作りを教わったり、学校や子供会、町内会の役員などを引き受けたりすることで、本当に輪が広がっていくのを実感しています。

庭の一角に大典さんが造った菜園スペース。好きな野菜を育てて、食べたいときにすぐに収穫できるのがうれしい。

日本中を旅したお二人が“大好き!”というのですから、本当にすてきな町なんですね。

はい! 私は特に自然が好きですね。秋畑のあたりは沢の水がすごくきれいで、沢登りもできます。自然の遊び場がたくさんあるから、子育てファミリーにはおすすめですよ。
それと、イベントの多い町なので、年中楽しめます。さくらマラソンで走ったり、子どもたちは春の武者行列に装束を着て参加したり……。
この町に住んで、いろんな人に出会い、支えていただいて、私も家族も幸せだなぁと、改めて実感しています。

友達づくりについて

知り合いが一人もいない場所で人とのつながりを広げていった青木さん。自分から行動をすれば、必ず誰かが手を差しのべてくれるという。妊娠中に参加した母親学級は友達づくりの起点になったとか。

交通手段について

車がないと不便なこともあるけれど、逆に車があれば生活に困ることは何もないという青木さん。甘楽町にはデマンドタクシーがあるから、年を取って運転できなくなっても心配はしていない。